【これから英語を学ぶ大学生の皆さんへ】TOEICスコアを伸ばすために伝えたい10つのこと その3

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はじめに~英語力はwant(あればいい)ではなくmust(なければいけない)である!

今大学生の皆さんは、これから就職や進学を控え、すでに英語というものが自身の進路にどれだけ大きな影響を持つかを認識しているでしょう。事実、グローバル化が大きく叫ばれる現在、就職活動において英語力を重視しない企業はないといっても過言ではありません。国内企業であっても、社内公用語を英語にすると公表している企業すらあります。これから就職活動を控えている皆さんにとっては、もはやライバルは日本人ではないのです。中国人、韓国人、インド人、フィリピン人といった多くのアジアからの優秀な人材と、これから競い合うのです。

インドやフィリピンでは、英語が公用語として使用され、中国や韓国では、英語圏への留学が活発に行われています。海外の大学や職業訓練校において、中国人や韓国人の留学生の割合は、常に上位を占めています。現在の英語力がどうあれ、これから社会へ出ていく皆さんにとっては、英語力の必要性を無視することは出来ません。英語力は、wantではなくmustなのです。

さて、英語力の指標として多くの企業が採用しているのが、ご存知TOEICテストです。これから、TOEICスコア975点の私から皆さんへ、実体験をもとに、TOEICテストを受ける心構え・各Partの勉強方法・ハウツーに関して書いていくこととします。

目標は大きく満点!と言いたいところですが、謙虚に(?)900点以上としておきましょう。大丈夫、それほど非現実的な目標ではありません。

私の信条は「学問に王道なし。」です。何事もコツコツと続けていることが大事です。楽をして何の苦労もせずに、母国語とは違う言語が習得できると思ってはいけません。厳しいようですが、これをすれば誰でも簡単にTOEICテストで満点が取れる!などという魔法の勉強方法があるとは決して思わないでください。

5.リスニング対策~Liteningは一日にして成らず!

言語というのは、相手とコミュニケーションを取るためのもので、コミュニケーションには、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能が必要です。

TOEICテストでは、特に、「聞く」ことと「読む」ことが重視されています。

人間は、言葉を“聞いて”覚えます。次に話す、読む、書くと広がっていきます。聞く力、つまり、リスニング力は、言語の習得に当たって、特に大事な要素なのです。

また、読む力に関しても、海外で仕事や生活をすれば、書類を読んだり、メニューから注文したりと、日常的に、“読む”ことが求められてきます。

リスニング力を高めるために何より大事なもの、それは「集中・継続すること」です。毎日続けることです。そして、ただ続けるだけではなく、集中して継続することです。

注意して、一音一音を注意深く聞き、フォニックスを思い浮かべながら、スクリプトを読みながら、話者の出身国を思い浮かべながら、口ずさみながら、あるいは、文法を思い浮かべながら聞くのがリスニング対策になるかと思います。

5-1 聞き流しはNG!

日本人は残念ながらリスニングのスキルは低いと言わざるを得ません。こればかりは、残念ながら中学高校の英語においてしっかりと身につけているとは言い難い状況です。(最近では、ALTなども学校に派遣されるようになり、昔よりは生の英語に触れる機会が増えましたが、週に1回やそこらやっても、聞き取れるようになるわけではありません。また、残念ながら、学校で教えている教師自身、リスニング力が高いとは言えないのが日本の英語教育の現状です。)

そもそも、日本語と英語の音というのは、周波数的にも相当の乖離があり、日本人にとって英語を聞きとるというのはかなりの困難を伴います。よく“英語を長時間ひたすら聞き流す”という方法が言われていますが、聞き流しのみではリスニング対策には不十分です。

なぜなら、流して聞いてみて「大体わかった」では、テストの点数はとれませんし、それでは、会社では、仕事を任せられません。

聞き流すという方法は、すでにある程度のリスニング力が付いている人にとっては、つまり、あとは量だけという人にとっては、有効な方法かもしれませんが、初心者が聞き流すだけで英語が聞き取れるようになるのは無理があります。それができるのであれば、すでに我々は洋楽や洋画で多くの英語に接しているわけですから、とっくに聞き取れていなければおかしいですね。しかし、実際には、そうではないでしょう。

初心者に聞き流しはNGなのです。

5-2 発音をおろそかにするべからず!

英語と日本語で決定的に違うものの1つとして、母音と子音の数があげられます。たとえば、RとLの発音などは日本人にとって難しい発音の1つというのは皆さんもご存じのとおりでしょう。

中学高校の教育では、発音はあまり重視されていません。前述の通り、教える英語教師も話せない人が多いですからね。

しかし、当然のことながら、リスニングにおいて発音が聞き取れるというのは重要な要素を持っています。先にも書いたとおりTOEICテストのリスニングは、紛らわしい単語が選択肢に含まれています。たとえばcloudとcrowd、playとpray、この区別が聞いて分かりますか?LとRの発音は、日本人はどちらも「ラ行」で覚えていると思いますが、英語ではまったく違うものです。ローマ字では日本語のラ行を「R」を使って記述するのでさらに誤解を招いているのですが、日本語のラ行は英語で言うと「L」の音に近いのです。カタカナで音を表現するのは、日本の英語教育の悪しき慣習です。

こういった発音は、口の形・舌の位置が分からなければ理解がしづらいものです。

そこでお勧めなのが、ビデオを見ながら学ぶことです。ビデオといっても、教材を買ってくる必要はありません。Youtubeを利用しましょう。たくさんのネイティブスピーカーが、発音の解説をビデオで分かりやすく説明しています。

たとえば、FORB’S CHANNELフォービーズチャンネルなどがよい例です。日本人の苦手な発音を、分かりやすく解説しています。個人でも、「バイリンガールのチカさん」や、「Koichibenさん」の動画チャンネルは非常に分かりやすく英語の発音を説明していますので、皆さんが発音を勉強するのにかなり有効です。

こういった、リスニング(さらにはスピーキング)の基礎となる発音をきちんと知っているのと知らないのでは、リスニングの勉強をする際に大きい違いとなって現れます。

発音をおろそかにしないでください。

5-3.リスニングはヒアリングではない!

最初に、聞き流しはお勧めしないと書きました。ではどうしたらよいでしょうか。個々のアルファベットの発音の勉強も必要ですが、それだけではリスニングができるようになるわけではありませんね。

まずは、それぞれのレベルにあったリスニング教材にしっかり耳を傾けましょう。教材はなんでもよいですが、なるべく皆さんの興味のある話題を扱っているものがいいですね。そして教材は、“必ず”英語のスクリプトがあるものを選んでください。

漫然と聞く(ヒアリング)だけでは、英語は頭に入りません。しっかり耳を傾ける、つまり精聴(リスニング)しましょう。 

まずはスクリプトを見ずに聞き、次にスクリプトを確認しながら「何が話されているか」しっかり追っていきます。聞き取れない個所は、何度も繰り返して聞いてください。繰り返し、繰り返し、繰り返しです。並行して、個々のアルファベットの発音の勉強も継続してください。

ヒアリングではなく、リスニング(意識して聞く)が大事なのです。

こういった精聴を続けることが、リスニング力を高めるためには重要です。最初は、聞き取れないことにストレスや苛立ちを感じるかもしれませんが、疲れた時は無理に続けることはありません。時間を決めて精聴を行ったら、次は聞き流しをしながらリラックスするなど、メリハリをつけましょう。

大事なことは、集中して、聞き取りを行うことです。

5-4.お付き合いは複数と!

もう1つ、大事なことがあります。

それは、多くの国の話者に触れるということです。皆さんは普段、アメリカ英語に触れる機会が多いと思いますが、TOEICテストでは、アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダとあえて話者を複数の国に設定しています。これは、それぞれの国で話される英語のイントネーションが違うからです。

もちろん、男性と女性、個人によっても話し方は違います。ですので、リスニング教材を選ぶ際は、つとめて、同じ話者のものだけ聞くのではなく、複数の教材を使って聞いてください。

ちなみに、これもお金をかける必要などありません。

お勧めとして、無料で使えるリスニング教材があるサイトをいくつかあげておきましょう。特に、TEDというサイトは多くの話者のプレゼンを動画で見ることができます。その上、スクリプトと日本語訳も付いているので、一見の価値ありです。

5-5.話すことは、聞くことに繋がる。

リスニング力を高めるためには、「話す」ことも重要な要素です。

スクリプトのある教材を選ぶことが大事だと言いましたね。精聴の次に、スクリプトを見ながら、話し方を真似て何度も音読をしてください。“1日に必ず1回”は行うことです。

リスニング力を高めるのに、なぜ話すことが必要なのでしょうか。

言語能力には4つの種類があることを前述しました。「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能でしたね。この4つの能力は、それぞれに影響し合っているため、総合的に伸ばしていくことが英語力のアップにつながります。

小さかった頃を、思い出してください。

いまでは、皆さんは日本語を流ちょうに話せますね。どうやって日本語を覚えましたか?赤ちゃんは生まれたときから多くの日本語に囲まれて育ちます。そう、まずは聞くことから言語学習は始まります。

その次は?たくさんの日本語を聞いて、少し成長した赤ちゃんは、次に簡単な単語をしゃべるようになります。もちろん、自分が言いたいことを自由に表現しているわけではなく、まわりの人が話す言葉を単に“真似て”いるにすぎませんが。

真似ること。これは言語学習において、非常に重要な要素です。

周りの人が言う言葉を真似て、少しずつ子供の語彙力は増えていきます。聞いて、真似て、話す。もちろん、聞き取れない言葉、理解できない言葉もたくさんあったはずです。そういう言葉も、まずは自分の口で真似をして話すことで、次に聞いたときに、すぐそれが何を意味するのか分かるようになります。実感を伴ってその言葉が子供の身の内に定着します。

英語のリスニング力を高めるためにも、このプロセスが必要です。まず聞く。そしてそれを真似る。つまり、音読です。つまり、リスニング力を高めたいのであれば、聞くだけではなく、音読を行うことがとても重要なのです。

恥ずかしいかもしれませんがつたない音読でもいいのです。子供のように、真似て、繰り返すことが大事です。

5-6.瞬間英作文

もう1つ、リスニング力を高めるためにやってもらいたいことがあります。それは、瞬間英作文です。簡単に説明すると、英語を英語で理解しようとするものです。

日本語と英語で決定的な違いとして、その語順の違いが上がられます。言うまでもありませんが、「私はあなたが好きです。」は英語では“I love you.”ですね。日本では最後に来る動詞が、英語では主語の後に来る。この語順置き換え、つまり、訳す作業が必要になる為、多くの日本人は英語のセンテンスを理解するのに時間がかかります。

前述の例は、非常にシンプルな例ですが、たとえばこれが”Where are you going to stay in London tomorrow?“だとどうでしょうか。

  • Where are you going to stay in London tomorrow? →あなたは、明日、ロンドンでどこに泊まるつもりですか?

語順の入れ替えが複雑です。テストでは、訳している最中に、次の問題が始まってしまったなんてことは、誰もが経験することでしょう。

そこでお勧めするのが、「瞬間英作文」です。森沢洋介氏が提唱しているこのメソッドは、大変有名なのでここであえて詳細を書くこともないと思いますが、簡単に説明すると、シンプルで簡単な日本語を瞬間的に英語にしていくというものです。

たとえば、

  • この本はあの本より有名だ。
  • 彼女は、この街で一番可愛いですか?
  • もし明日晴れたら、ピクニックに行きましょう。

こういった短いセンテンスを、いちいち考えずに英語で自然に口から出るように繰り返しトレーニングをするという訓練方法です。英作文をすることがなぜリスニング力のアップにつながるかと不思議に思うかもしれませんが、日本語を聞いて、その日本語と同義の英語を瞬間的に口から出せるというのは、英語の回路ができているということです。瞬間的に英語にするという訓練ですから、そこには日本語から英語に訳すという作業はなく、日本語と同義の表現が英語で分かっている、ということになります。

先に述べたように、日本語の概念をそのまま英語に置き換えて口からぱっと出る、ということができるようになると、リスニングにおいても何を言っているかが、瞬間的にわかるようになります。

TOEICテストのリスニングは、たった一度しか読み上げられません。一度で、理解できる、スピードについていけるようにするためには、いちいち日本語に訳して考えるのではなく、英語を英語として理解できる能力が必要なのです。

5-7.オンライン英会話教室でインプット&アウトプット!

リスニング対策の最後として、オンライン英会話教室を効果的に使うことをお勧めしておきます。昨今は、オンライン英会話教室が隆盛で、オンライン英会話教室の口コミまとめサイトも数多くみられるようになりました。

なるべくお金をかけずに…とは言いましたが、オンライン英会話教室は、インプット&アウトプットの場として、お金を払うに値するといえます。ちなみに、お金がかかるとはいっても、毎日1レッスン受けて月5000~6000円のところや、ポイント制で月3000円からのところや、定額でもいろいろと教室を選べます。これなら、大学生でも十分払える値段ではないでしょうか。

言葉というのは使わなくては自分のものとして身に付きません。

使って初めて、実感を伴って自分の身の内に定着します。話すことは聞くことに繋がると言いましたが、実際に英語でのコミュニケーションを取ることで、あなたの知識は、単に知っているということから、分かるということに変化していきます。

さらに言えば、つたない英語でも、人とコミュニケーションを取れるというのは嬉しく、楽しいものです。コミュニケーションを通して、リスニング力も大幅にアップするのです。

次に、リーディングセクションの対策についてお話します。

続きはその4で👇

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※このブログはある企業に依頼され学生向けに以前私が執筆したものです。