翻訳依頼をご検討されているクライアント様へ

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この記事が英語サポートまたは翻訳をご検討されている方の手助けになれば幸いです。

機械翻訳や人か

ここ数年、機械による翻訳の品質が飛躍的に上がってきているのは確かです。スピードは人と比較することができないほど早いのはご存知のとおりです。質に関しては、人と比べるとまだ「使える」レベルにはなっていないのが私の率直な意見です。ただし、次のことに注意すれば活用すべきとも思います。

  • 費用面:人に頼むとコストがかかります。機械翻訳であれば0円で済みます。費用に制限がある場合には、機械翻訳が選択肢となるのも仕方がないでしょう。
  • 納期面:人に頼むとそれなりの時間がかかります。一定の品質にするには、数度に及ぶ見直し作業などさまざまな作業が必要となってきます。急いでいるのであれば、機械翻訳も選択肢となるでしょう。
  • 使用範囲:たとえば、組織内で内部資料とする場合には良いと思います。「機械が翻訳した」「翻訳違いもあるかもしれない」とお互いが共通の認識としているのであれば機械翻訳されたものでもいいと思います。メール内容の翻訳に関しても同じことがいえるかと思います。

なお、「機械翻訳したものを渡して翻訳者に修正して」という依頼はやめましょう。機械翻訳に点数をつけると0点~70点の間と開きがあるときがほとんどです。多くの場合、1から始めたほうが早くなります。あの翻訳モジュールを出している大手検索会社のところですら、人を何重にいれて翻訳物をだしているのですから。ただ、翻訳者の納得のいかないものを納品物として提出するのは、多くの翻訳者にとって不本意かと思います。

翻訳者の専門分野を確かめること

「術語」というものがあります。その分野で使用されている特殊な言葉を指すものですが、これはその分野に精通していないとわからないものです。同じ単語でも分野ごとに訳し方が変わってくる場合もあります。翻訳者を探すときはその分野を専門にしている人を探しましょう。

納期と費用は十分にかけたほうが良いものが仕上がる

翻訳者側が必要とする時間と費用をあげたほうが質が上がります。翻訳者が最終的な責任を負うのはあたり前ですが、それ以前に依頼元が十分な時間とお金を費やしていない依頼をよくみかけます。このような依頼の納品物は、多くの場合、日本語に訳されてはいるんだけど、よく読むとなにを言いたいのかわからないという結果に終わります。最近よくみかけるそんな翻訳は、このような理由から生まれているのかもしれません。

単語を単に対象の言語に変換する以外に、翻訳にはたくさんの作業が必要となります。たとえば、次のような作業を私はしています。

「Do not rush Art」は映画「トイストーリー2」からの言葉ですが、名言です。翻訳も実はアートです。(^^)

TOEIC・他の英語試験

日本で使用されている英語試験の多くは、実用と呼ぶにはふさわしくないレベルです。せいぜい英語圏の小学生高学年のレベルです。TOEICであれば満点近く、英検であれば最上級くらいが翻訳者の最低ラインと考えたほうがいいでしょう。これ以下ですと、読み間違え(「書き手の意図を正確にとらえられない」など)、書き間違え 、文法ミスなどが入ることを覚悟したほうがいいかと思います。

書式

ライティングスタイルなどと呼ばれているものです。日本語に関しては、「お手本」とされるものはありませんが、なんらかの「書式」を持つことにより、常に一定の質(読みやすい)で文章を作成することができるようになります。これをもっているか確認してみましょう。

経験は本当に物をいう

1年生と15年生の翻訳者。やはり、15年生の方がいいものがでてくると思います。内容を忠実に翻訳しつつも、日本語として非の打ちどころがなく、苦も無く読める。場合によっては、原文よりよいものがでてくる。15年間も生き残っているとそういうことができるようになります。1年生には文字の置き換えがやっとでしょう。5年ほど生き残っていれば、ある程度のレベルで翻訳ができるものと思います。

 

皆様がよい翻訳者と巡り合えることを祈っております。